2020/12/28
バブルチャートは知っている
けれど、
作るのが面倒だし、棒とか線グラフでいっか・・・
と、諦めた経験はありませんか?
そんな経験をお持ちの方、そもそもノーチェックだったというみなさんへ、
今回は意外と便利なバブルチャートの世界を少しだけご案内します。
百聞は一見にしかず、バブルチャートを見てみよう
まずはこちらのチャートをご覧ください。
これは、糖尿病市場における2016年度の売上金額上位10薬剤について分析をしたバブルチャートです。
X軸は市場内シェア、Y軸には市場全体の対前年からの伸び率を100とみた場合の、各薬剤の対前年伸び率を指数化した値、そしてバブルの大きさは各薬剤の年間売上金額、というように2次元チャートでシェア、伸び率、売上の3つを表しています。
さらに、X軸とY軸の交差点を、市場内平均シェアと市場全体の伸長指数(=100)に置いていますので、各薬剤がどこのポジションに位置しているのか、視覚的に把握することが可能となります。
例えば今回のケースでは、
- 「製品A」シェアは取れているが、市場全体の伸びほど売り上げを伸ばせていない
→まだシェアを獲得できる余地があったのでは? - 「製品G」平均以下のシェアだが、市場全体の伸びをかなり上回る成長を遂げている
→今後の動向に注目!
などなど、いろいろな情報が見えてきますよね。
- A : シェアは平均以下だが、市場の成長を上回る伸び率
- B : シェアも獲得できており、市場の成長も上回る伸び率
- C : シェアは獲得できているが、市場の成長に及ばない伸び率
- D : シェア平均以下で、市場の成長にも及ばない伸び率
同じ切り口の分析をバブルチャート以外で表現してみると
先ほどのバブルチャートを使用した分析を、ほかのグラフで表現してみましょう。
このグラフでは、上位10薬剤の年間売り上げを棒グラフで、対前年からの伸長指数を折れ線グラフで表現していますが、市場内シェアを確認することができないので・・・
もう一つ、シェアのみを確認するために別のグラフを用意する必要があります。
この比較からもわかるように、2つのグラフで表現する内容を、バブルチャートを使えば1つのチャートから読むことができるのです。
まとめ(あくまでも個人的考察)
医薬品市場の売上や各薬剤の市場浸透度を月次で確認する、あるいは過去からのトレンドを見る、という場合は、棒グラフや折れ線グラフを組み合わせたチャートが適していると思うのですが、Annualレポートのように、
昨年度との違いは?
というような場面では、次のように昨年度と今年度の売上分析を2枚並べて見ることで、
- 2016年度最も売り上げの大きかった「製品A」は、2017年度では少しシェアを落としている
- 2016年度の成長が著しかった「製品G」において、伸長率は前回から下げているが、未だ市場の成長率を超えて伸びており、新たなシェアも獲得している
などの情報を、視覚的に読み解くことができます。
今回は売上金額を使用した分析を例にしましたが、売上個数や患者数、また後発品と先発品市場に分けて分析するなど、複数の切口を使って多角的に分析いただく際も、バブルチャートをご活用いただけるのではないかと思います。
バブルチャートの世界、いかがでしたか?
この記事が、何らかのお役にたてれば幸いです。
※今回の分析に使用したデータは全てダミーです